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小沢健二が出てくる小説③ 樋口毅宏「雑司ヶ谷R.I.P.」

小沢健二とは何か。それは、圧倒的なまでの暴力です。 ~樋口毅宏 「雑司ヶ谷R.I.P.」より



個人的に好きな映画の1位と2位は「アメリカン・グラフィティ」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」なんですが(ちなみに3位は「恋のゆくえ~ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」)、「アメグラ2」とか「BTTF2」が好きか?と訊かれると全くのノー。「アメグラ2」なんか明らかに失敗作だし、美しく完結したはずのあの「アメグラ」の世界を穢してますよね。私は基本的に「続編に名作はない」というスタンスです。

ただ、この小説に関しては違いました。「さらば雑司ヶ谷」の続編「雑司ヶ谷R.I.P.」。



“小沢健二が出てくる小説①「さらば雑司ヶ谷」”の感想で

本当に面白い小説だと思うのですが、結構どきつい表現に溢れているから誰にでもお勧めできる小説、というわけではありません 

なんて勝手に書かせていただきましたが、「雑司ヶ谷R.I.P.」はさらにどきつさを増して(笑)、穢れなき婦女子の皆様にはマジでお勧めしにくい(笑) 

ちょっと荒唐無稽というかハチャメチャ過ぎるというか、それでも読者を呆れさせず文庫本で500ページも読ませるのは、綿密に調べ上げられて小説中に取り込まれた日本の戦前から現代に至るまでの政治/宗教/文化の細部のリアリティさからだと思います。

構成が章ごとに過去と現代に分かれて進むスタイルで、そこら辺は村上春樹の小説っぽい感じもする。

村上春樹といえば、デビュー作「風の歌を聴け」でビーチ・ボーイズを登場させました。後に“ビーチ・ボーイズへの応援のつもりで書いた”とインタビューで答えていたと記憶していますが、樋口氏はデビュー作「さらば 雑司ヶ谷」でタモリと小沢健二を登場させた。人は最初の小説を書こうとする時、自分が大切に思っているもの、信じているもの、美しいと思っているものを書きたい、登場させたい、そして世間に愛を表明したいと思うものなのでしょうね。

「さらば雑司ヶ谷」では“人類史上最高の音楽家は小沢健二である”と登場人物の口を借りて世間に言わしめた樋口氏ですが、この「雑司ヶ谷R.I.P.」では、「痛快ウキウキ通り」の頃のオザケンについて鋭いプロファイリングをされています。本当に“面白いから許す”という内容です(笑)
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