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小説に登場する“ビーチ・ボーイズ” ⑭ボブ・グリーン「ABCDJ  とびきりの友情について語ろう」

小説に登場する“ビーチ・ボーイズ”の第14回目はボブ・グリーンの「ABCDJ とびきりの友情について語ろう」です。



続いて私たちはブライアン・ウィルソンの曲を演奏した。何年もまえのあの頃の、胸が張り裂けそうな甘い思い出が、いまここに蘇ってくるかのようだった。聴く者をあの日あの時へと正確に引き戻す彼の力は、いまだに色褪せていなかった。私はコーラスを重ねながら、ジャックの様子を目にした。彼はジャニスの肩を抱き、瞳をじっと見つめていた……。

しかしそれ以上は見ていられなくなり、私は思わず目を逸らしてしまった。私の目にそれは甘すぎるものだった。いちばん古くからの友人が自分の妻にありったけの愛を傾けていて、それをステージから見ている私がいて、しかもその愛のために音楽まで提供しているのだ。なぜか痛々しいくらいの気持ちだった。そこまでは見てはいけないような気がした。私たちはステージでコーラスを続けた。「リートゥルサーファー、リートゥルワン、メイマイハーカム、オーアンダン(little surfer,little one,made my heart come all undone)……」。


例えば“アメ・グラ”経由だとか、達郎さんの『ビッグ・ウェイブ』がきっかけとか、そういった副次物を経てからの出会いではなく、実際に60年代の頃にティーン・エイジャーで、その多感な毎日の中でデビューしたばかりのビーチ・ボーイズと出会い、リリースされる“新曲”を日々のテーマ・ソングとして聴いてきたという方々には…私は憧れ感がいっぱいなんです。なんか、一生頭が上がらないというか。作家でいえば村上春樹とボブ・グリーン。だから二人の作品は漏らさず読むようにしてる。

もちろん、自分の世代には自分の世代にしかない、生の実体験と結びついた特別な音楽の出会いがあって、自分だけの特別な音楽もある。サザンとオザケンはやっぱり別格。ナンパな奴かと思われるかも知れないけどサザンとオザケンで人生が変わってしまった。だからまぁ、「いとしのエリー」や「いちょう並木のセレナーデ」でパートナーの肩を抱き、お互い過ごしてきた時間のことを思うのも悪くはないんだけど(ぜんぜん悪くない)、やっぱりね、「Surfer Girl」でダンスしてみたい(笑)

このボブ・グリーンの「ABCDJ とびきりの友情について語ろう」は、同作者の小説「十七歳」からの40年後のストーリー。「十七歳」でお互いの友情を確かめ合ったABCDJの5人のうち、ジャック(J)が末期ガンに侵され、5人の中でも彼とは特別な親友だった主人公のボブ(B)は残された余命を寄り添い、過去を振り返りつつ過ごしていく。

ボブ・グリーンの小説を何冊か読んでる方には既知の箇所の多い小説。でも、奇をてらわないのが新聞社で長年現実と向き合ってコラムを書いてきたボブ・グリーンらしさであり、物語にリアリティを与える要因にもなっている。
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