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デニス・ウィルソン・トリビュート『Only With You』

遅ればせながら我が家にもEndless Summer Quarterlyからファンジンの2008年夏号(↓)が届きました。



内容はというと、今夏再発されたデニス・ウィルソンの『Pacific Ocean Blue』について、共同制作者/プロデューサーのグレッグ・ジェイコブソンとジム・ガルシオ、エンジニアのジョン・ハンロン、さらにディーン・トーレンスやビリー・ヒンチなどの関係者へのインタヴューがかなりのボリュームで掲載されています。まぁ、当然の事ながら全て英文なのでよく分らないんですけども(笑)

でも、今号の目玉は何といってもオマケCDのデニス・ウィルソン・トリビュート 『Only With You』(↓)の方ですね。



参加ミュージシャンと収録曲はこんな感じ(↓) なかなか豪華です。

Carl B. Wilson (w/ Matt Wilson on guitar)   Only With You
David Marks (w/ Al Jardine)   I Sail Away
Philip Bardowell   True Love
The Duophonic Band   Sound of Free
Dean Torrence   Like A Summer Rain
Paul Steel & Stephen Kalinich   Ocean
It's Only Roy   Malibu
Brian Wilson   Heaven
Chris English   Summer Revisited
Matt Jardine   Middle of Nowhere
Marty Rudnick   Situation
John Hunter Phillips   It's About Time
Wayne Tweed   Tell Me What It's Like
DP2   Not Getting Out of Bed
Alan Boyd   Lost on the Moon
Mitch Schecter   Surfer's Lament (instrumental)
Peter Lacey   Sublime
Carnie Wilson (featuring Brian Wilson)   You Are So Beautiful
The Ladykillers   Celebrate The News
Chris Farmer   California Sleepwalkin'
Randell Kirsch & Christian Love   Falling Away As We Rise
Carnie Wilson   Forever

ブライアンの歌うカール作の名曲「Heaven」のカヴァーは感動的だし、コーラスにアル・ジャーディンが参加したデヴィッド・マークスの「I Sail Away」 はのんびりしたムードがまたよろしいです。デニスと仲の良かったディーン・トーレンスはジャン&ディーンの名盤『Save For A Rainy Day』から「Like A Summer Rain」の新録を引っさげて参加、また、The Duophonic Bandというバンドは未だCD化されていないデニスのレア曲「Sound Of Free」のカヴァーをやっているし、かなり聴きごたえありますね~、このオマケCD。

聴いててさらに思ったのは、ビーチ・ボーイズのメンバーの子供たちの頑張り。ブライアンの娘カーニーは「Forever」と「You Are So Beautiful」(父ブライアンとデュエット)のカヴァーで素晴らしい歌声を披露してくれているし、デニスの息子カール・Bはデニスの孫(!)にあたるマシューの弾くギターをバックに、「Only With You」を大切に紡ぐように歌ってくれています。また、アル・ジャーディンの息子マットは「Middle Of Nowhere」で、マイク・ラヴの息子クリスチャンはビーチ・ボーイズのツアー・メンバーのランデル・カーチと組んで「Falling Away As We Rise」でそれそれ参加、皆、“デニスおじさん”のために一肌脱いでくれています。



いつか彼らビーチ・ボーイズ・チルドレンの中から、カーニー&ウェンディーに続くタレントが出てこないかなぁと思います。
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リンジー・バッキンガム「デニス・ウィルソン組曲」

皆さんは「Denny Remembered」というタイトルの洋書をご存知でしょうか?



この本、各時代のデニスの写真やファンからの言葉、関係者(ハル・ブレインなど)へのインタビューなどが集められたデニス追悼本の一つなのですが、その一番最初に「The D. W. Suite」という変わったタイトルの詩が掲載されています。

こんな感じの詩です。

「The D. W. Suite」

A. "The Wish" :

If we go, go insane
We can all go together
In this wild, wanton world
We can all break down forever...

I want to go
Go forever
I want to go
Go forever
It's just a memory
It's just a memory...
Gone forever...

B. "The Prayer"

The closing of a chapter
The opening of a door
Brings forth life
Where there was no life before
I won't be here, I'll be watching from above
Always do what you should
Always be good
When push comes to shove
Pray for guidance from above
Shadow all your hopes with love

Live your life without a doubt
Outside in and inside out
Pray for guidance from above
Pray for guidance from above
Shadow all your hopes with love
Never be afraid, never be afraid
Pray for guidance from above

The closing of a chapter
The opening of a door
Brings forth life
Where there was no life before

C. "The Reflection"

(Instrumental)

実はこの詩、フリートウッド・マックのリンジー・バッキンガムのソロ・アルバム『Go Insane』(1984年)(↓)



のラストに収められている曲「The D. W. Suite」のものなんです。タイトル「The D. W. Suite」のDとWはデニス・ウィルソン(Dennis Wilson)のこと、Suiteは組曲と訳されますから、邦題としては「デニス・ウィルソン組曲」ですね。曲は A"The Wish" B "The Prayer" C "The Reflection"の三部からなる6分45秒にも及ぶ大作です。

清らかな朝を思わせるケルトっぽい音像で静かなスタートを切る第一部の A"The Wish"、耳障りな旋回音と海の底に沈んでいくような音のSE(デニスの溺死を表現しているのかも)を挟んで、 明るく心地良いメロディーがコーラス豊かに歌われる第二部のB "The Prayer"、ちょっと不吉な感じの4回の鐘の音の後、行進曲風のインスト曲に「Don't Worry Baby」のメロディーが顔を出す第三部のC "The Reflection"、はっきり言って「デニス・ウィルソン組曲」であることが分らなければ、さっぱり「?」な曲だと思います(笑)

ただ、デニスより3つ年下で、1947年に西海岸で生まれた彼にとって、ビーチ・ボーイズは少年期のアイドルそのものだったでしょうし、なによりもデニスのことを深く理解していたのでしょうね。一般的には、酒とクスリ、女と借金、最期は酔って溺死というまさに人生の落伍者のように思われているデニスに対して、こんな「組曲」をこしらえてくれたリンジー・バッキンガムは最高にいい奴です(笑)

後年、彼がブライアン・ウィルソンと共作(「Love & Mercy」のシングルB面 「He Couldn't Get His Poor Old Body to Move」)する機会を与えられたのも、おそらくこの「The D. W. Suite」が評価されてのことではないでしょうか。



(↑)「He Couldn't Get His Poor Old Body to Move」収録の『Brian Wilson』 (デラックス・エディション)

クリスティン・マクヴィ「Only Over You」

テルミンさんから達郎のアルバム『Big Wave』がデニスに捧げられていると教えていただいて、ふと思い出した曲がありました。フリートウッド・マックのアルバム『Mirage』(↓)



の6曲目(A面のラスト)に入っている「Only Over You」という曲です。

作詞・作曲はクリスティン・マクヴィ。クレジットにはさらに彼女の名前の後に“with special thanks for inspiration to Dennis Wilson”と添えられています。

1978年の11月、とあるスタジオで『Bambu』を製作中のデニスと、たまたま所用でそのスタジオを訪れたクリスティン・マクヴィは出会い、瞬く間に不倫関係に陥ります。二人の出会いは音楽面ではクリスティンがコーラスで参加した「Love Surrounds Me」(ビーチ・ボーイズのアルバム『L.A.』と、今夏再発されたデニスの『Pacific Ocean Blue』のディスク2に収録)を生み出すことになります。

が、1979年7月、ロサンゼルスのユニバーサル・アンフィシアターにおけるビーチ・ボーイズのライブで、デニスがステージ上でマイク・ラヴに暴言を吐き、さらに暴力を振るうという事件を起こしバンドを一時除名され経済的に貧窮してからは、デニスはヒモのようにクリスティンに依存し始め、二人が出会って2年も経つころにはクリスティンは完全にデニスに愛想を尽かしていたようです。「Only Over You」を収録したアルバム『Mirage』がリリースされた1982年にはもう二人の関係は終わっていました。

しかしこの曲では、ゆっくりとしたテンポで切々と、そして熱っぽくクリスティン自らこのような歌詞を歌っています。

正気を失ってしまうの
あなたのことを考えるとね
あなたを思うときだけは
正気をなくしてしまう

みんなは私の頭がおかしいと思っているけど
なにも知らないのよ
私を見捨てたはずの愛が育っていくのを
今はみんなが見守ってる

エンジェル 行かないで
あなたがいなくてはやっていけない
人は私を愚かな娘と呼ぶの
でも 私は馬鹿じゃないわ

みんなは私を知っていると言うけど
本当はなにもわかっていないのよ
私の心はあなたの未来
あなたの未来は私だわ


たとえ周りの人が反対しようとも、雑音に惑わされずに真っ直ぐに愛を貫きたい、という強い恋心を持った女の人の歌として、付き合っていた当時のデニスへの想いを綴ったのでしょうね。


デニス&クリスティン・マクヴィー

この曲が世に出た1年半後にデニスは溺死してしまいます。おそらくデニスはこの曲のことを知らなかったでしょう。もし知ったとしても、荒んだ生活を送った晩年の彼の心には届かなかったかな。

それにしても、再婚した二番目の奥様のバーバラのために「Barbara」と「Forever」を、三番目の奥様のカレン・ラムのために「Baby Blue」、クリスティン・マクヴィと「Love Surrounds Me」、そして全ての女性のために「You Are So Beautiful」(ビリー・プレストンとデニスの共作なんですよね、本当は)を歌ったデニス。海と女性を愛し逝った人生でした(涙)
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